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ポリアンルール

 ビルズ、コルツの敏腕GMだったビル・ポリアンが開幕ロースターを絞り込むプロセスを説明する論文を書いています。NFLを見始めてから15年以上経ちますが、お恥ずかしいことに、「へ~、そうだったんだ!」と知らないことばかりでした。NFLの世界は本当に奥が深い。今回のウチの53人の絞り込みは不可解なことが多かったですが、少しその背景が見えてきました。

 ポリアン論文のポイントを列挙すると・・・

・53人決定で一番判断が難しいのが怪我人の扱い。最終ロースターカットでIRに入れると、そのシーズンは復帰できなくなる。復帰可能にするには、いったんキープしてウエイバー期間が過ぎてからIRに入れる。そうするとシーズン中の復帰が可能になる。

・しかし、その際のリスクは、怪我した選手の代わりに別の選手をリリースしてウエイバーにかけ、他チームにクレームされる可能性があること。

・このジレンマを解消するやり方が、新人契約が残るサラリーの安い若い選手ではなく、控えのベテラン選手をリリースすること。ベテラン選手はWEEK1の時点でロースターにいると、その年のサラリーが全額保証されるため、ベテラン選手をリリースしても他チームが獲得する可能性は低い。

・リリースしたベテラン選手とは、サラリー保証が消えるWEEK1以降に再契約する。

・このやり方のメリットは、怪我人をキープしつつ、有望な若手をウエイバーにかけるリスクを避けることができ、かつ控えのベテランをチームに戻すことができる、ということ。つまり一石三鳥。


 なるほどお~。フロントはそこまで考えて53人を絞り込んでいるのですな。

 今回、TE5人体制は不可解でしたが、ホッジズをいったんキープした上でIRに入れたのは、そういうことだったんですね。

 もう一つ不可解だったのがCBを4人まで減らしたこと。リリースされたCBダニー・ジョンソンとコーン・エルダーはともにベテランなので、引き抜かれるリスクはないと判断したのでしょう。2人はPS入りしており、WEEK1以降にいつでも引き上げられるようにしています。

 一方で、他チームからカットされた若手CB2人をクレームしました。ベテランをPSでキープする一方、他チームから有望株を引っこ抜くことができたのは、ナイスムーブと言えなくもない。

 CB2人をクレームした際、控えLBのデービッド・メイヨがリリースされて驚きましたが、銃撃されたRBブライアン・ロビンソンをNFIリストに入れた後、すぐに再契約しました。これも引き抜かれるリスクはないベテランのメイヨに「すぐ再契約するから、いったんリリースするね」という合意があったのでしょう。

 前回のエントリでは、かなりネガティブに書きましたが、フロントの動きには合理性があることがわかってきました。ずいぶんディスってスミマセンでした。

 ただ、残念だったのは、デプスペラペラのLBの補強として、昨年までウチにいたジョン・ボスティックを連れ戻したこと。去年、プアなパフォーマンスを見せられたファンの間では「ノーモア・ボスティック!」の雰囲気があったので、ネット上では再契約が炎上してました。おいおい、ボスティックを連れ戻すくらいなら、オフに何か手を打っておけよ、って話。この点のフロントへの不満は拭えない。

 で、ごちゃごちゃのロースタームーブを整理。

【クレーム】
CB Tariq Castro-Fields(前SF)
CB Rachad Wildgoose(前NYJ)

【サイン】
LBジョン・ボスティック

【リリース】
LBデジョン・ハリス

【IR入り】
TEカーティス・ホッジズ

【NFIリスト入り】
RBブライアン・ロビンソン

 クレームしたCB2人はなかなか楽しみ。Castro-Fieldsは今年の6巡指名で、ウチの以前GMを務めたスコット・マクルーエンが絶賛している選手。WildgooseもNYJのHCがリリースを惜しんでいたらしいです。

 ロビンソンの復帰時期はまだわかりませんが、NFIリスト入りしたことで、少なくとも4週はアウトになります。IR入りしたホッジズは復帰可能指定を受けています。




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