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ダニエル君発言を考える

 オーナーのダニエル君がローカルテレビ局のインタビューに応じました。この中で興味深いのは、8番目の映像です。ダニエル君がこれまでチーム編成にどの程度関与していたかについて語っています。

 "You know what’s interesting ... is a little bit of a misperception here. When Joe Gibbs was here for over four seasons, nobody came to talk to me about football, and the same thing now. It was very similar between Mike Shanahan and Joe Gibbs, that they take command of the football team, and I love that. I mean, for me it’s easy. I don’t want to be involved."

 意訳すると、「みんなは僕ちんが独断でチーム編成を好き勝手にやってきたように思っているけど、それは誤解だよ。ギブス御大がHCの時は、まったく関与しなかったし、今もシャナハンに全権を委ねている。その方が楽だし、本当は僕ちんは関与したくないんだ」って感じでしょうか。

 この発言について、スキンズウオッチャーのリッチ・ダンドラー氏がブログで興味深い論考を記しています。

 What is important here is what wasn’t said. Mike Shanahan has been at Redskins Park since January of 2010 and Gibbs was the there from 2004 through 2007. That accounts for five of the 12 years that Snyder has owned the team. What about the other seven? By singling out the Gibbs and Shanahan eras as ones of non-involvement in football decisions, is Snyder admitting that he was involved during the other years?

 要するに、「ギブスとシャナハンにはチーム編成を任せたが、それ以外のHCの下ではダニエル君が主導権を握っていたということではないのか」ってことです。

 僕はタンドラー氏の見方に同感です。ギブス&シャナハン政権以外では、ダニエル君主導でチーム編成が行われていたんだと思います。ところが、ご存じの通り、ダニエル君主導の時代は鳴かず飛ばず。全権を与えたギブス政権時代は4年で2回もプレーオフに出場しています。

 10年以上の歳月を経て、ダニエル君もようやく、「自分は口出ししない方がいい」ということを悟ったんだと思います。これが、シャナハン&アレン体制の発足につながったんじゃないかと。1番目の映像でそれを示唆するような発言をしています。「オーナーとしての12年間で一番学んだことは?」という質問にこう答えています。

 ”I’ve learned to get the right people and let them do their thing. When you’ve got them, encourage them, love them up and that’s what we’re doing.”

 意訳すると、「僕ちんが学んだのは、正しい人材を得て、彼らを励ますことだ」って感じでしょうか。要するに、「僕ちんはもう口出ししないよ~ん」と言っているように聞こえます。

 この発言の the right people とは、ギブス御大、シャナハン、アレンGMのことを指しているんだと思います。right people がいるってことは、その逆の wrong people がいるってことになりますが、それは間違いなくあの人ですね。そう、「スキンズ版未練」とも言うべき、ビニー・セラートです。8番目の映像で、それを示唆する発言があります。

 "I enjoyed this draft probably more than any draft we had, because these guys worked so hard at preparation. It’s very different than Vinny Cerrato -- their structure -- and I can tell you that I thought the trades and the moves that Bruce made to accomplish what he accomplished was really remarkable. It was a great Redskin day, and I think people two or three years from now are going to love this draft."

 ここまではっきり名指しするとは。。。トレードダウンで指名権を増やした今回のドラフトについて、「セラート時代とは全然違う!」とはっきり言っています。ここではドラフトについてしか言っていませんが、ハインズワース獲得やジム・ゾーン招聘など、セラート路線を大失敗だったと認めているのでしょう。

 当ブログでも、誰が主導権を握っているのかについて、たびたび議論になりますが、現体制ではシャナハン&アレンが主導権を握っていると見ていいんじゃないでしょうか。そもそも個性の強いシャナハンが口出しの多いオーナーの下で仕事を引き受けることは考えられないので、全権あるいはかなりの裁量を与えられていると見るべきでしょう。

 とにかく、ダニエル君の口出しがなくなったというのは画期的なことです。スキンズにとって、「暗黒時代からの夜明け」と言えるんじゃないかと。あとは、シャナハン&アレンに結果を残してもらうだけです。

アンダーアーマー、ゴルフウェア一覧ページにリンク125-125
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コメント 11

海象

サックマンさん>

ということは、
システム変更を強行した挙げ句アンドレ・カーターやクリス・ホートンら既存の戦力が輝きを失ったのも、
去年獲得したFAが軒並みバスト揃いだったのも、
全て現首脳陣の責任ということじゃないですか。

去年のザマで何も責任取ろうとしない首脳陣を、どう信用しろと?
NFLがそれほど甘い世界だとでもお考えですか?

この場が荒れることは私の本意ではありませんが、
ナショナルディフェンス伝統の4ー3と、
ホッグスによるパワーランを軸としたゲームプランとを、
勝利の為でなく己の保身の為にねじ曲げる現首脳陣の行動に異議を唱えないことこそ、
愛するスキンズに対する裏切り行為だと私は心得ます。
他人にそれを強要はしませんが。

とはいえ、
現首脳陣に疑いを持っていてもスキンズの勝利を願う事に変わりはありません。
故に今季のノルマを
『プレーオフ進出、乃至は最終週までのプレーオフ争い』と設定し、
それを達成すれば潔くシャッポを脱ぐことにします。

by 海象 (2011-05-29 22:29) 

Remember 2004

レッドスキンズとしては、
今までの代償は小さくないですけど、
オーナーが口出ししない宣言したのは、
確実な一歩として受け止めたいですね、
個人的にはシャナハンの事は
好きではないですが、
まずは暖かく見守りたいです。



by Remember 2004 (2011-05-30 01:51) 

まーくりぴえん

やはりギブス御大にだけは介入しなかったんですか。当然でしょうw.
この発言だけで、自分のダニエルへの不信感を拭い去ることは出来ませんが、兎に角ようやく「オーナーの本来あるべき姿(アル爺とジェリー君は例外としても)」に立ち返ろうとしていることは確かだと思うので。
アレン&シャナハンを何処まで我慢できるか見守ることにします。

話は変わりますが、
それはそうとしてアレンGMにこの場を借りて強く望みたい。
「第17回スーパーボウルを目に穴開くまで観ろ!」と。

ホワイト&バーガンディでなきゃスキンズじゃない!!!!
とまでは申しませんがね。
by まーくりぴえん (2011-05-30 06:14) 

ソフィア

海象師匠>

>『プレーオフ進出、乃至は最終週までのプレーオフ争い』と設定し、それを達成すれば潔くシャッポを脱ぐことにします。

そういうことでしたら、これからはぜひ、現体制下でどうしたらプレーオフを狙えるか、ポジティブな議論をしていきましょうよ。

Remember 2004さん>

>今までの代償は小さくないですけど、

とてつもなく大きな代償だったと思います。この10年、ギブス政権時代をのぞけば、まさしく暗黒時代だったと思います。オーナーが「自分は口出しすべきではない」と悟るまでに、10年以上かかったんですから、ファンはたまりません。

りぴえんさん>

>この発言だけで、自分のダニエルへの不信感を拭い去ることは出来ません

おっしゃるとおりだと思います。僕も不信感はあります。それでも、シャナハンがいる間は大人しくしていると思うので、当面は安心していいんじゃないかと思います。
by ソフィア (2011-05-30 12:06) 

サックマン

海象師匠さん
『プレーオフ進出、乃至は最終週までのプレーオフ争い』と設定し、それを達成すれば潔くシャッポを脱ぐことにします>是非、そうしてください
私はNFLが甘かろうが辛かろうが
首脳陣が信用できようが出来まいが
選手のプレーを楽しむだけなの
たとえ次のシーズンで全敗しようと
これまで通りチームを応援するだけですけど(笑)


by サックマン (2011-05-31 10:05) 

まーくりぴえん

全くの勝手な推測論ですが、
海象師匠がこれだけ不満をぶちまける背景には、ギブス御大が築いたスキンズ最強時代のフットボールが未だ「理想郷」の如く師匠の心に存在するからではないかと思います。

今のスキンズはその時代とはまるで違う方向性といいますか、3-4導入やエンジジャージ(よりによってあんな縁起悪いカラーパッケージなど!)・・・・どう考えても第一にギブス時代の否定としか思えませんし、それを嘆いてらっしゃるのではないかと思っています(全くの余談だが、この2点は僕も同感です)。
それは理解してあげていただけませんか?

思いつくままのまとまりの無い文章で申し訳ない(いつもの如くですけど・・・w)

by まーくりぴえん (2011-05-31 20:57) 

まーくりぴえん

ただし、「ギブス時代のフットボールの否定」に拍車をかけた、というより、
火に油を注いだのは一にノーヴ・ターナー招聘、二にダニエル&セラートの商業主義!!!
by まーくりぴえん (2011-05-31 21:03) 

まーくりぴえん

管理人さん>

そもそも今回のダニエル発言、僕は全く信用していません。「人間誰でも口先だけなら何とでも言えるんだよ」とまで思ってます。
特にセラートに関する発言など(このブログでの記事を読む限りですが)、まるで「全てセラートが独断でやったことだからね~」って言ってるようなもんではないかと。そう聞こえてならない。
しかし長年庇い続けてきたくせに今になってここまで名指しで批判するなんてこの男の思考回路はまるでアル爺と一緒ですな。
まだまだ思うことはあるのですが今回はこの辺で止めておきます。
by まーくりぴえん (2011-05-31 21:18) 

ソフィア

>それは理解してあげていただけませんか?

みんな理解していますよ。海象師匠が心底スキンズを愛し、現状を憂慮していることは十分すぎるほど伝わっています。

ただ、もう6月です。シーズン開幕まで3カ月となり(ロックアウトが解除されればですが)、新シーズンへのワクワク感が高まる中、オーナーは交代しろとか、HCをクビにしろとか、3-4は失敗だったとか、そういう話はもう終わりにしたいんです。

サックマンさんはじめ、当ブログを訪れて下さるスキンズファンの大多数はもっと建設的な話を望んでいると思います。昨年3-4がうまくいかなかったなら、うまくいかせるにはどういう補強をしなければならないのか、とか。このままでは他の方がコメントしにくい雰囲気になってしまうことを危惧したからこそ、自主規制をお願いした次第です。そこはご理解下さい。
by ソフィア (2011-06-01 12:37) 

まーくりぴえん

ほほぉ・・・・
いくら管理人権限とはいえ、随分と攻撃的に出ましたねえ。
まるで「お前だけが何も解かってねぇんだよ!」と言われたような気分で
不愉快とは言い過ぎにしても心外ですな。

単なる一訪問者の立場に過ぎない自分がこの場で名指しで書いて良いのかわからんけど、
今回サックマンさんのコメントを読んでいて、ちょっと余計な事まで言ったんではないかな?と思ったので、
書いてみた限りだったんですけどね。

まあ、今後余計な首突っ込む真似だけは止めておきます。
by まーくりぴえん (2011-06-02 13:59) 

ソフィア

長年コメントをくださっているりぴえさん、海象師匠に不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。「お前だけが何も解かってねぇんだよ!」などとは決して思っていません。海象師匠のお気持ちはよく分かる半面、一方で私が最近書いた内容がことごとく否定されている感覚を受け(海象師匠にはそういう意図がないことはよく理解していますが)、あまりいい気持ちがしていませんでした。話の流れをなんとか変えたいという思いから、感情的になってしまったことを認めます。今までブログ上では極力感情的にならないように努めてきたつもりですが、この件については感情をうまくコントロールできなかったことを悔いています。
by ソフィア (2011-06-02 22:25) 

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